■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2025/04/24

【問題1】(心臓・血管) 虚血性心疾患について正しいのはどれか? | ア:ACCでは亜急性心筋梗塞は発症より7日以上30日以内としている。 イ:普通の速さで2階以上階段を上っても狭心症発作が出なければCCS分類は II 度である。 ウ:12誘導心電図の I 、aVLの変化は回旋枝病変の存在を示す。 エ:冠血流量は、酸素含量と冠血管抵抗によって決定される。 オ:平地を3ブロック以上歩いても狭心症発作が出なければCCS分類は I 度である。 |
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[解説] ア:○:ACCのデーターベースでは、周術期の再梗塞発症リスクの低下にもとづき、亜急性心筋梗塞は発症より7日以上30日以内、陳旧性心筋梗塞は手術前30日以上としている。
イ:×:普通の速さで2階以上階段を上っても狭心症発作が出なければCCS分類は II 度である。
ウ:○:12誘導心電図の II 、 III 、aVFの虚血性変化は右冠動脈の病変の存在を示す。 I およびaVLの変化は回旋枝病変、V3〜V5の変化は左前下行枝病変の存在を示す。
エ:×:冠血流量は、大動脈と心室の圧較差により決定される。この圧較差は収縮期と拡張期では異なり、収縮期には圧較差が減少するために冠血流量は収縮期には減少し、拡張期には圧較差が増大するために冠血流量は拡張期に増加する。
オ:○:平地を3ブロック以上歩いても狭心症発作が出なければCCS分類は I 度である。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p237-242
【問題2】(麻酔科学用語) 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。 | ||||
(1) BPH | (2) BLS | (3) CPCR | (4) HB | (5) MICS |
[解答]
(1)benign prostatic hypertrophy:前立腺肥大症
(2)basic life support:一次救命処置
(3)cardiopulmonary cerebral resuscitation:心肺脳蘇生法
(4)hepatitis B:B型肝炎
(5)minimally invasive cardiac surgery:最小限侵襲心手術
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題3】(成人、小児、新生児での蘇生法) 開胸式心マッサージの適応になるものはどれか。 | ア:心タンポナーデ ウ:低体温 | イ:胸郭の著しい変形 エ:貫通性胸部外傷 |
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[解説] 早めに開胸式心マッサージを開始すると予後がよいという報告がある。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題4】(成人、小児、新生児での蘇生法) 心停止の診断に役立つものはどれか。 | ア:頚動脈での脈拍触知不能 ウ:チアノ−ゼ | イ:心音消失 エ:終末呼気二酸化炭素濃度低下 |
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[解説] 意識消失患者で、頚動脈の脈拍を触知しなければ、心停止と判断してよい。心電図上で心室細動や不全収縮など心拍出が見込めない調律が認められる場合、心音消失、血圧測定不能、チアノ−ゼ、終末呼気二酸化炭素濃度の突然の低下なども、心停止の診断に有用である。心肺蘇生により終末呼気二酸化炭素濃度の上昇が認められれば、肺血流量があること、心拍出があることを意味し、心肺蘇生の成功を期待できる。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
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