■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2025/04/25

【問題1】(溺水・中毒・体温) 次のベンゾジアゼピン系薬剤のうち、もっとも血中半減期の長いのはどれか? | 1) フルマゼニル 3) フルニトラゼパム 5) ジアゼパム | 2) ミダゾラム 4) ニトラゼパム |
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[解説] ジアゼパム(=セルシン、ホリゾン)の血中半減期=30時間(32時間)、ニトラゼパム(ネルボン)=25時間、フルニトラゼパム(サイレース、ロヒプノール)=20時間(24時間)、ちなみにベンゾジアゼピン系拮抗薬であるアネキセート(フルマゼニル)の半減期は1時間(49分)である。比較すると極めて短いので再睡眠が起こるということ。したがって覚醒状態を維持するには持続投与が必要となるが、ベンゾジアゼピン系製剤による中毒か否かの鑑別に適応を限定した方がよいとの考えもある。
[正解] 5 [出典] ポケット医薬品集91年P375
【問題2】(呼吸生理) 誤っているのはどれか。 | ア: 炭酸ガスは主に血漿中のHCO3-として運搬される。 イ: ヘモグロビンの酸素解離曲線の左方移動は組織への酸素供給を増加する。 ウ: 塩素移動(chloride shift)は血液のpH緩衝作用の一つである。 エ: 1グラムのヘモグロビンは約1.34mlの酸素を運搬できる。 オ: 高圧酸素療法は溶存酸素量を増加する。 |
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[解説] 組織で産生された炭酸ガス(CO2)が血中においてどのようなかたちで肺へ運搬されているかをもう一度確認しておく。
ア:○ 炭酸ガスは、血中に物理的もしくは化学的に結合して肺に運搬される。
イ:× ヘモグロビンの酸素解離曲線の左方移動では、ヘモグロビンの酸素飽和度は高まる(運搬能は高くなる)が、酸素結合度が増すため、末梢組織にて酸素を離さない。したがって酸素供給能は低下する。
ウ:× 組織でC02が増加したとき、血液中のHCO3-はほとんど赤血球中で生成される。CO2+H20=H2CO3=H+HCO3)。生成された赤血球中のHCO3-は、濃度勾配にしたがって赤血球より血中に拡散する。このとき、赤血球中の電気的中性を保つために、Cl-が血中より赤血球中に移動する。この現象を塩素移動(chloride shift)という。よって血液のpHの緩衝作用ではない。
エ:○ これは事実なので覚えるしかない。
オ:○ 酸素は、ヘモグロビンへの結合と02分圧に比例して、血中に溶解するかたちで運搬される。高圧酸素療法により酸素の溶解が増加する。
[正解] (イ)、(ウ) [出典] 医師国家試験 79C42
【問題3】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (o__________) (p________) (d______) : 閉塞性肺疾患 (2) (m______________) : 不均等分布/不適当分布 (3) (d________) (h________) : 拡散性酸素過剰 (4) (a_________) (p________) : 吸引性肺炎/誤嚥性肺炎 (5) (h__________) (a_____) : ハロゲン化[麻酔]薬 |
[解答]
(1)obstructive pulmonary disease | (2)maldistribution |
(3)diffusion hyperoxia | (4)aspiration pneumonia |
(5)halogenated agents |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
■ Top 100 Secrets ■ To determine the etiology of hypoxemia,calculate the A-a gradient to narrow the differential diagnosis. |
[Words & Phrases]
[出典]Anesthesia Secrets 3rd Edition
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