■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2025/04/28
| 【問題1】(内分泌疾患患者への注意) 正しい記述はどれか。 | ア:糖尿病のコントロールが不良だと、ヘモグロビンA1cが高値を示す。 イ:ヘモグロビンA1cの酸素運搬能力は低い。 ウ:低血糖と過換気が併存すると、脳内高エネルギーリン酸化合物の欠乏が早く起こる。 エ:β遮断薬を投与されている患者は、全身麻酔中に低血糖になっても、その徴候がみられないことがある。 |
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[解説] 低血糖の徴候は、中枢神経症状と、カテコラミン過剰による血圧上昇、頻脈、発汗などである。全身麻酔下では中枢神経症状はみられず、血圧上昇、頻脈も浅麻酔と判断される可能性がある。β遮断薬でも、頻脈、血圧上昇はみられにくい。高血糖があると脳虚血の予後が不良になるという報告があるが、嫌気性解糖による組織アシドーシスが関与している可能性がある。ヘモグロビンA1Cの酸素運搬能力は低い。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
| 【問題2】(溺水・中毒・体温) サリンおよびその中毒について誤っているのはどれか? | 1) アトロピンが有効 3) ナチスドイツが開発 5) 青酸カリの500倍の毒性 | 2) 散瞳を認める 4) 有機リン剤である |
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[解説] サリンおよびその中毒:サリンは1930年代後半・第2次世界大戦中に、ナチスドイツが開発した化学兵器である。有機リン剤であり、不可逆的にコリンエステラーゼと結合しその活性を阻害する。無色・無臭の液体であるが、蒸発して毒ガスになり、肺・目・皮膚から容易に吸収されるため短時間の暴露でも致命的になる。成人一人あたりの致死量は1mg以下で青酸カリの約500倍の毒性があり皮膚に1滴滴下しただけで死亡する。救護者は、防護服・防護マスクを着用しなければならない。症状:ムスカリン様作用=副交感神経刺激症状(気管支収縮、気管支分泌物増加、肺水腫、流涎、流涙、嘔吐、下痢、徐脈、低血圧、縮瞳)、ニコチン様作用=交感神経刺激症状(筋線維性攣縮、頻脈、高血圧、高血糖)、中枢神経系の症状、治療:アトロピン+PAM、低換気に陥っているならば即刻、気管内挿管+人工換気
[正解] 2 [出典] クリティカル記憶術2p150
| 【問題3】(心臓・血管) 深部静脈血栓症の危険因子でないものはどれか? | 1) 妊娠 4) うっ血性心不全 | 2) 悪性腫瘍 5) 糖尿病 | 3) 長期臥床 |
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[解説] 肺塞栓の危険因子としては、火傷を含む外傷、整形外科的な疾患と治療、50歳以上、悪性腫瘍、長期臥床、鬱血性心不全、深部静脈血栓症の既往、妊娠;とくに産褥期、帝王切開後、エストロゲン療法、肥満(?)などが挙げられている。糖尿病は深部静脈血栓症の危険因子とは考えられていない。
[正解] 5 [出典] 内科レジデント実践マニュアルp102
【トラブル・シューティング】〜麻酔緊急Vol.2p144 (アナフィラキシー、その他)『アナフィラキシーショックが起こったら』 アナフィラキシーショックの周術期の頻度=0.03%。アナフィラキシー=IgEを介する I 型アレルギー、アナフィラキシー様反応=直接あるいは補体を介して肥満細胞・好塩基球を活性化。 ●治療:初期治療=抗原投与中止、気道確保と純酸素換気、麻酔薬投与中止、エピネフリン皮下注、二次治療=カテコラミン持続投与、抗ヒスタミン剤、ステロイト、アミノフィリン投与 ●症状:①循環症状:低血圧、頻脈、不整脈、②皮膚症状:発赤、蕁麻疹、粘膜浮腫、③呼吸症状:喘息様発作、チアノーゼ ●鑑別:腸間膜牽引症侯群:開腹術にみられる顔面紅潮、低血圧、頻脈 ●症例:ASD根治術の麻酔に際しソルメド投与後、低血圧、頻脈、顔面紅潮をきたしたが、治療により血圧は徐々に回復し、40分後には皮膚症状も治まり予定通り手術施行できた。 |

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