Q:各種筋肉の筋弛緩薬への感受性の違いとは?
A:以下の筋肉は、NMBA(神経筋遮断薬)投与下での抵抗性(感受性の低さ)と回復の速さに応じて大きく差があります。以下に、最も抵抗性が高い筋肉(回復が最速)から順に、最も感受性が高い筋肉(回復が最遅)を示します。
1. 横隔膜
・感受性最も低く、回復最速。
・母指内転筋(AP)と比較して 1.5~2 倍の筋弛緩薬用量が必要。作用開始も回復も速く、豊富な血流が局所濃度を上げ速やかなクリアランスをもたらすためと考えられる。
2. 喉頭筋・声帯
・横隔膜に次いで抵抗性が高く、作用の作用発現・消失ともに速い。
・挿管時には AP の TOF カウント 0 まで待つ必要がなく、横隔膜と同様の反応様式を示す。
3. 皺眉筋(Corrugator Supercilii)
・顔面筋では最も抵抗性が高く、回復も速い。
・眼輪筋と混同されやすいが、眉間の皺眉筋は横隔膜に準じた速い回復を示す。
4. 腹筋群
・横隔膜には及ばないものの、AP よりも感受性が低く回復は速い。
・AP で TOFC 0でも腹筋は動き始め、横隔膜との回復差を活かした管理が可能。
5. 眼輪筋(Orbicularis Oculi)
・AP より抵抗性が高く、回復は手指筋に近い速さ。
・眼瞼閉鎖の試験は AP モニターと同等には扱えず、あくまで補助的評価に留める。
6. 小指外転筋(Abductor Digiti Minimi)
・AP よりも速く回復し、感受性はさらに低い。
・過小評価による過量投与リスクがあるため、単独での抜管判断は禁物。
7. 短母趾屈筋(Flexor Hallucis Brevis)
・足底筋では AP に近い、やや速いか同等の回復。
・手が使えない場合の代替モニターとして臨床応用あり。
8. 母指内転筋 & 第一背側骨間筋
・筋弛緩モニターによる評価は、通常は AP を基準部位とし、回復タイミングは上気道筋に近い。
・ASA ガイドラインもこれらを推奨しており、呼吸機能の安全マージン確保に有用。
9. 咬筋(Masseter)
・AP とほぼ同等の回復速度。
・咬合テストでは TOF比 86 %以上で機能回復を示す。
10. 咽頭筋など上気道筋群
・最も感受性が高く、回復最遅。
・舌や咽頭の開大筋は AP で TOF 比 90 %以上まで回復しないと気道閉塞・誤嚥リスクが残存するため、抜管判断には特に注意が必要。
これらのさまざまな筋肉の相対的感受性を踏まえ、母指内転筋が上気道筋群の回復状態に近い指標となることから、NMBA の投与量調整や抜管のタイミングを決定するために筋弛緩モニターの標準的な装着部位としては母指内転筋が推奨されています。
しかし、腹腔鏡手術などで、上肢を拡げず体幹に沿わせてしまう体位の場合には、筋弛緩モニターの電極の装着が困難であったり、何らかの問題が生じた時に電極の貼り換えなどの修正が困難なために、顔面の皺眉筋や眼輪筋が代替装着部位として利用されることがありますが、これらの筋肉は、上気道筋や母指内転筋よりも、筋弛緩薬に対する抵抗性が高く、筋弛緩薬からの回復の程度を過大評価する可能性があるため、気管チューブ抜管の前には、手術終了時にモニタリング部位を母指内転筋に変更してから評価するように注意喚起がなされています。
1. 横隔膜
・感受性最も低く、回復最速。
・母指内転筋(AP)と比較して 1.5~2 倍の筋弛緩薬用量が必要。作用開始も回復も速く、豊富な血流が局所濃度を上げ速やかなクリアランスをもたらすためと考えられる。
2. 喉頭筋・声帯
・横隔膜に次いで抵抗性が高く、作用の作用発現・消失ともに速い。
・挿管時には AP の TOF カウント 0 まで待つ必要がなく、横隔膜と同様の反応様式を示す。
3. 皺眉筋(Corrugator Supercilii)
・顔面筋では最も抵抗性が高く、回復も速い。
・眼輪筋と混同されやすいが、眉間の皺眉筋は横隔膜に準じた速い回復を示す。
4. 腹筋群
・横隔膜には及ばないものの、AP よりも感受性が低く回復は速い。
・AP で TOFC 0でも腹筋は動き始め、横隔膜との回復差を活かした管理が可能。
5. 眼輪筋(Orbicularis Oculi)
・AP より抵抗性が高く、回復は手指筋に近い速さ。
・眼瞼閉鎖の試験は AP モニターと同等には扱えず、あくまで補助的評価に留める。
6. 小指外転筋(Abductor Digiti Minimi)
・AP よりも速く回復し、感受性はさらに低い。
・過小評価による過量投与リスクがあるため、単独での抜管判断は禁物。
7. 短母趾屈筋(Flexor Hallucis Brevis)
・足底筋では AP に近い、やや速いか同等の回復。
・手が使えない場合の代替モニターとして臨床応用あり。
8. 母指内転筋 & 第一背側骨間筋
・筋弛緩モニターによる評価は、通常は AP を基準部位とし、回復タイミングは上気道筋に近い。
・ASA ガイドラインもこれらを推奨しており、呼吸機能の安全マージン確保に有用。
9. 咬筋(Masseter)
・AP とほぼ同等の回復速度。
・咬合テストでは TOF比 86 %以上で機能回復を示す。
10. 咽頭筋など上気道筋群
・最も感受性が高く、回復最遅。
・舌や咽頭の開大筋は AP で TOF 比 90 %以上まで回復しないと気道閉塞・誤嚥リスクが残存するため、抜管判断には特に注意が必要。
これらのさまざまな筋肉の相対的感受性を踏まえ、母指内転筋が上気道筋群の回復状態に近い指標となることから、NMBA の投与量調整や抜管のタイミングを決定するために筋弛緩モニターの標準的な装着部位としては母指内転筋が推奨されています。
しかし、腹腔鏡手術などで、上肢を拡げず体幹に沿わせてしまう体位の場合には、筋弛緩モニターの電極の装着が困難であったり、何らかの問題が生じた時に電極の貼り換えなどの修正が困難なために、顔面の皺眉筋や眼輪筋が代替装着部位として利用されることがありますが、これらの筋肉は、上気道筋や母指内転筋よりも、筋弛緩薬に対する抵抗性が高く、筋弛緩薬からの回復の程度を過大評価する可能性があるため、気管チューブ抜管の前には、手術終了時にモニタリング部位を母指内転筋に変更してから評価するように注意喚起がなされています。

この記事へのコメント