セボフルランベースまたはプロポフォールベース麻酔が胃癌手術後の急性腎障害に及ぼす影響:後向き傾向スコアマッチング解析

セボとプロポのAKI.png・急性腎障害(AKI)は、死亡を含む患者の予後不良に関連する、主要な腹部手術のよく見られる合併症である。本研究の目的は、胃癌手術後の術後AKI発生率を、プロポフォールベースの TIVA(全身麻酔)を受けた患者とセボフルランベースの INHA(吸入麻酔)を受けた患者で比較検討することである。

・2010 年 1 月 から 2018 年 9 月までにハルビン医科大学癌病院で原発性胃癌に対する根治手術を受けた 19 歳以上の全患者の診療記録を分析した。傾向スコアマッチング後、術後 3 日以内の AKI 発生率をプロポフォール群とセボフルラン群で比較した。

・3533 例が研究対象となった。傾向スコアマッチング後、各群に 1206 例が割り付けられた。ロジスティック回帰分析では、傾向スコアマッチング前後とも両群間で AKI 発生率に差は認められなかった(マッチング前:オッズ比 1.05、95% 信頼区間 0.80〜1.38、P=0.731/マッチング後:オッズ比 1.02、95% 信頼区間 0.71〜1.47、P=0.926)。傾向スコアマッチング前、急性腎障害はセボフルラン群 146 例、プロポフォール群 85 例で発生した。全体発生率はセボフルラン群 6.4%、プロポフォール群 6.7% であった。傾向スコアマッチング後、急性腎障害はセボフルラン群 60 例、プロポフォール群 61 例で発生した。全体での発生率は、セボフルラン群で 5.0%、プロポフォール群で 5.1% であった。

・本後ろ向き研究では、胃切除術後の術後急性腎障害(AKI)発生率について、プロポフォールベースの TIVA(全身麻酔)を受けた患者とセボフルランベースの INHA(吸入麻酔)を受けた患者との間に有意差は認められなかった。

プロポフォール TIVA とセボフルラン吸入麻酔とで、術後腎障害に差はないと。

対訳テキスト:20250829-5.pdf

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