■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2025/10/06

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【問題1】(呼吸) 胸郭肺コンプラアンスの正常値はどれくらいか(l/cmH2O)?
1) 0.3
4) 0.05
2) 0.2
5) 0.5
3) 0.1


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[解説] コンプライアンス(compliance)とは肺と胸郭の膨らみやすさを示す用語である。気道に一定の圧が加わった場合の肺の容量の変化(ΔV/ΔP)を表す。肺と胸郭を合せたコンプライアンスを胸郭肺コンプライアンスといい、肺、胸郭を分けた場合は、それぞれ、肺コンプライアンス、胸郭コンプライアンスという。1/胸郭肺コンプライアンス=1/肺コンプライアンス+1/胸郭コンプライアンスという式が成り立つ。正常人では肺コンプライアンス=胸郭コンプライアンス=0.2l/cmH2O、したがって、胸郭肺コンプライアンス=0.1l/cmH2Oとなる。


[正解] 3 [出典] Q新麻酔科学改訂第5版p102



【問題2】(局所麻酔薬) 局所麻酔薬で正しいのはどれか?

ア:ブピバカインは心筋カルシウムチャネルを遮断する。

イ:血中濃度の上昇は肋間神経ブロックより腰部硬膜外麻酔の方が速い。

ウ:シメチジンは局所麻酔薬の血中クリアランスを増加させる。

エ:呼吸性アシドーシスは局所麻酔薬の痙攣域値を下げる。

オ:妊婦は非妊婦に比べ、ブピバカインに対する心筋の感受性が高い。


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[解説] リドカインはナチリウムイオンチャネルに急速に結合し容易に解離するのに対し、ブピバカインは強く結合し解離が遅いことが心毒性の1因となっている。血中濃度の上昇は肋間神経ブロックの方が腰部硬膜外ブロックに比し速く、ピーク血中濃度も高い。シメチジンは肝血流を減少させ、チトクロムP450を抑制するので、リドカイン、プロプラノロール、ジアゼパムなどの薬物の代謝を遅くする。呼吸性・代謝性アシドーシスは局所麻酔薬の痙攣閾値を下げる。妊娠動物では非妊娠動物に比し少ない用量で心肺虚脱が発生するので、妊娠はブピバカイン心毒性に対する感受性を亢進させるとされている。


[正解] (エ)、(オ) [出典] 第35回麻酔指導医認定筆記試験:A3




【問題3】(心臓・血管) 次のうちで生体内に存在しないものはどれか?
1) イソプロテレノール
3) エピネフリン
5) ドーパミン
2) βフェニルエチラミン
4) ノルエピネフリン


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[解説] 生体内に存在するカテコラミンはエピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミンで、イソプロテレノールは合成カテコラミンである。βフェニルエチラミン(β-pehnylethylamine)とは、o-dihydroxybenzene(ベンゼン核の3・4位にOH基の付いたもの)=カテコール(catechol)にethylamineが付いたもので、いわゆる「カテコラミン」である。したがって、生体内にはβフェニルエチラミン=カテコラミンは存在する。


[正解] 1 [出典] 標準生理学第4版p808





【問題4】(外傷・出血・感染) CRPの上昇しない疾患はどれか?
1) 心筋梗塞
4) 骨折
2) 細菌感染症
5) 外傷
3) ウイルス感染症


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[解説] Caイオン存在下でC多糖体(肺炎球菌の菌体成分)と沈降反応を起こす糖蛋白で、ヒトにおける急性相反応物質であり、炎症刺激後6〜12時間で増加する。疾患特異性はなく、炎症の有無の指標となる。感染症(ウイルスは除く)、心筋梗塞、外傷、骨折などで上昇する。


[正解] 3 [出典] 救急認定医診療指診P70

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