【書籍紹介動画】麻酔学:教科書を超えて(麻酔科研修医・専攻医向け)



PURE2 カバー B案.pngこの動画のソースとなった書籍は、SRHAD-KNIGHT 著『麻酔パワーアップ読本 アドバンスト』(日本医事新報社、2023年3月発行)です,。
本書は、著者が 12 年以上にわたり英語論文の抄録を日本語訳して紹介し続けているブログ「麻酔科勤務医のお勉強日記」の内容をベースに、実際の麻酔診療の過程に沿って整理・加筆されたシリーズの第 2 弾にあたります,。
あなたが「眠りに落ちる時(麻酔導入時)」の戦略、すなわちプレイブックとして、以下の具体的な知見が本書に基づいています。
  • 前酸素化(プレオキシジェネレーション)の極意: 麻酔薬によって呼吸が止まる前に、肺内の空気を酸素で置換(脱窒素)し、無呼吸許容時間を最大8分まで延長させるための正しい方法と生理学的根拠が詳述されています。
  • 小児をスムーズに眠らせる「ツボ」: 静脈ライン確保を嫌がる子供に対し、高濃度セボフルランを「しっかり吐かせてから吸わせる」ことで、ドラマのように迅速かつトラウマを与えずに眠らせるための臨床的テクニック(VIMA)が紹介されています。
  • 肥満患者を安全に眠らせる計算式: 眠りに誘う中心的な薬剤であるプロポフォールを、実体重ではなく「補正体重(ABW)」や「除脂肪拡張体重(LSW)」に基づいて投与することで、過量投与による血圧低下や過少投与による術中覚醒を防ぐための「仮の体重」設定戦略が示されています。
  • 安全を支えるモニタリング思考: 確実に眠っているかを数値化するBISモニターの有用性や、万が一の麻酔器のリークを導入前に見抜くための「最低限のチェック」といった、安全を担保するためのプロの思考回路がまとめられています。
この書籍は、教科書には詳しく記載されていないが「教科書の次にぜひ知っておいてほしい内容」を Q&A 形式で網羅しており、麻酔科医が臨床現場で直面する疑問に答える実戦的なガイドブックとなっています。

(例えによる補足) 麻酔の導入は、「航空機の離陸」に例えられます。この本は、パイロット(麻酔科医)が乗客(患者)を安全に空へと連れ出すために、計器(モニター)をどう読み、どのレバー(薬剤)をどのタイミングで引くべきかを記した、熟練者の「フライト・マニュアル」のような一冊です。

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