【アンケート結果の分析と考察】身長 155 cm の成人女性への気管チューブサイズ選択

はじめに

先日、X(旧 Twitter)の投票機能を利用して、「身長 155 cm の成人女性に挿管する際、あなたが通常最初に使用する気管チューブ(ID)のサイズはどれですか?」というアンケート調査を実施いたしました。
全国の多くの麻酔科医の皆様にご協力いただき、総計 326 票という多数の投票をいただきました。ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今回は、その最終結果をまとめ、実際の臨床現場での選択傾向や合併症リスクについて考察・分析した結果をブログ記事としてお届けします。
【麻酔科医アンケート】身長155cmの女性の気管チューブのサイズ選択.png

アンケートの最終結果

投票結果の詳細は以下の通りとなりました。
  • 7.0 mm: 70.6%
  • 6.5 mm: 20.2%
  • 7.5 mm: 5.2%
  • その他(身長以外で決める): 4.0%
全体の約7割を占める7.0 mmが最多となり、次いで6.5 mmが約2割、7.5 mmやその他が少数派という結果になりました。

結果の分析と考察


1. 多数派を占めた「7.0 mm」の背景

今回のアンケートでは、身長 155 cm の成人女性に対して「7.0 mm」を選択する医師が 70.6% と圧倒的な多数派を占めました。成人女性の標準的な気管の太さや、換気抵抗、ファイバーの挿入、分泌物の吸引といった汎用性を考慮すると、7.0 mm をファーストチョイスとするのが現在の一般的な標準(スタンダード)であると言えます。

2. 「6.5 mm」派の視点とメリット

一方で、20.2% の医師が「6.5 mm」を選択しています。 個人的な意見としても、150 cm 台の女性であれば 6.5 mm で十分ではないかと考えています。実際、これまで細すぎて 7.0 mm に入れ替えた経験は一度もありません。160cm を超える身長であれば 7.0 mm を検討する基準になり得ますが、麻酔のような短期管理であれば、細めのチューブでも換気上の問題が生じることは稀です。
むしろ、太いチューブを留置し続けることで声帯や気管粘膜が常に圧迫されるため、細いチューブを選択する方が術後の嗄声や咽喉頭痛といった喉頭合併症を軽減できる可能性があります。

3. さらに詳しく知りたい方へ(過去の関連記事)

「6.5 mm」以外のサイズ選択や、チューブの太さが術後合併症に与える影響について興味のある方は、当ブログの以下の過去記事もぜひ参考にしてみてください。

おわりに

今回のアンケートを通じて、多くの麻酔科医が 155cm の成人女性に対して 7.0 mm を標準としつつも、一定数がより細いサイズを選択している実態が明らかになりました。
周術期管理において、換気の安全性と術後合併症(咽喉頭痛・嗄声)の予防のバランスをどう取るかについては、今後も検討を重ねていきたいポイントです。
身長155cmの女性への気管チューブサイズ.png

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