【Storybook】チバさんとイソさんの術後回復レース

静脈麻酔(TIVA)は一般に覚醒の質が良く、患者満足度も高いとされる。術後回復の質を測定する指標として最も広く用いられる QoR-40 を用いた複数の研究では、TIVA が吸入麻酔より良好な回復を示す例が多い。甲状腺手術や内視鏡下副鼻腔手術では、TIVA 群のほうが術後早期の QoR-40 スコアが有意に高かった。一方、胆嚢摘出術や子宮…
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【文献抄訳】成人の声帯長:キャリブレーション付きビデオ喉頭鏡を用いた臨床解剖学的研究

こんにちは。麻酔科医の「お勉強日記」へようこそ。 周術期管理において、気道確保は我々麻酔科医の最も基本的かつ重要なタスクの一つです。声門の形態、特に声帯(Vocal Fold: VF)の長さは、気管挿管時のチューブ選択や、喉頭展開の難易度、さらには術後の嗄声とも関連する可能性があり、臨床解剖学的な理解が不可欠です。 今回は、キャリブ…
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成人の声帯長:校正済みビデオ喉頭鏡を用いた臨床解剖学的検討

・声帯(VF)は発声における重要な構造であり、その長さは性別や身体測定学的特徴によって個人差がある。本研究の目的は、ビデオ喉頭鏡を用いて健常成人の声帯長を測定し、性別、年齢、身長、体重との関連性を検討することである。 ・本前向き研究は、カイセリ市立病院倫理委員会により承認された(2025 年 9 月 9 日、承認番号:563)。各…
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【Storybook】消えゆくキングの伝説:笑気ガスの壮大な引退劇

亜酸化窒素(N₂O)は、かつて強い鎮痛作用と迅速な導入・覚醒をもつ有用な吸入麻酔補助薬として広く使用されていた。しかし 1997 年の「京都議定書」を契機に、N₂O が CO₂ の約 310 倍の温室効果を持つ強力な温暖化ガスであり、大量使用される麻酔ガスとして環境負荷が大きいことが問題視された。分解されにくく大気中に約 110 年残留…
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【文献抄訳】緊急帝王切開における術中痛:発生率、リスク因子、そして長期的な影響

麻酔科医の皆さん、こんにちは。「麻酔科勤務医のお勉強日記」へようこそ。 産科麻酔において、脊椎麻酔下の帝王切開中に患者さんが「痛い」と訴える瞬間は、我々にとって最も神経を使う場面の一つです。特に予定手術ではない「緊急(non-elective)」の症例では、そのリスクは高まるとされています。 今回は、最新の J Anesth 誌に掲…
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脊椎麻酔下における予定外帝王切開術中の術中疼痛の発生率、危険因子および転帰:前向き観察研究

・術中疼痛は、予定帝王切開(CS)よりも緊急帝王切開においてより多く見られる。本研究は、脊椎麻酔下における予定外帝王切開術中の術中疼痛の発生率、危険因子、および母体への有害な転帰を明らかにすることを目的とした。 ・本前向き観察研究では、脊椎麻酔下で予定外帝王切開術を受けた分娩婦を対象とした。術中疼痛は、引っ張られるような感覚、圧迫…
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Q:自然睡眠状態下で BIS モニターの値はどうなるか?

A:自然睡眠中における BIS(Bispectral Index)値の推移は、睡眠段階(レム睡眠・ノンレム睡眠)の変化を非常に鋭敏に反映します。麻酔中の鎮静度評価とは異なり、睡眠の質や深さに応じて値が大きく上下するのが特徴です。 結論から述べると、ノンレム睡眠が深くなるほど値は低下し、レム睡眠や覚醒時には上昇するという推移を辿ります。…
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Q:大後頭神経ブロック(GONB)の実施手技とその有効性のエビデンスとは?

硬膜穿刺後頭痛(PDPH)は、脊椎麻酔や硬膜外麻酔などの神経軸ブロック後の頻度の高い合併症であり、その発生率は患者背景や手技因子により2%未満から40%まで幅広く報告されています。現在、硬膜外自己血パッチ(EBP)が治療のゴールドスタンダードとされていますが、侵襲的であることや、穿刺後48時間以内の施行では失敗率が高いという課題がありま…
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【Storybook】ビデオ喉頭鏡(こうとうきょう)のふしぎなレンズ

ビデオ喉頭鏡は「直視できない声門が見える」という点が最大の利点であり、少ない力で良好な視野を得られる。気道軸の整列が不要で、開口障害・頚部可動域制限などでも可視化が向上し、初心者から熟練者まで挿管成功率が高まる。また、画面共有により介助がしやすく、研修・記録にも有用で、患者へのストレスや損傷も少ない可能性がある。一方、視野改善してもチュ…
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【文献抄訳】術前アルコール使用障害が術後アウトカムに与える影響:1,800万人のメタ解析

皆さん、こんにちは。本日は、我々麻酔科医が周術期管理において避けては通れない「ライフスタイルに関連するリスク因子」、特に術前のアルコール摂取に焦点を当てた最新のメタ解析をご紹介します。 術前の問診で「お酒はどれくらい飲まれますか?」と尋ねることは日常的ですが、その回答が具体的にどれほどの合併症リスクを孕んでいるのか、改めてエビデンスを…
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手術患者における術前のアルコール使用障害と有害な転帰:系統的レビューとメタ分析

・研究の目的は、成人手術患者において、アルコール使用障害や有害・危険な飲酒を含む術前の不健全な飲酒(UAU)と術後転帰との関連性を評価することであった。 ・Ovid MEDLINE、Embase、および Cochrane データベースを検索し、手術を受ける成人を対象とした英語論文を抽出した。対象となる研究は、術前の UAU を有す…
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Q:「自然睡眠」と「全身麻酔」の違いとは?

A:全身麻酔と自然な睡眠は、どちらも可逆的な意識消失を伴う状態という共通点がありますが、神経生理学的なメカニズムや脳の活動状態には決定的な違いがあります。 まず、意識の深さと反応性が大きく異なります。自然な睡眠では、大きな声や強い接触刺激によって目覚めることが可能であり、自発呼吸や気道の維持も通常は保たれます。自分の生命を維持する…
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【Storybook】プチ挿管困難を乗り越えろ!Kyohei先生とRiko先生の4点セット戦略

気管挿管は本来、人間の解剖学的構造から難しさがあり、直視下で声門が教科書のように見える患者は多くない。挿管困難の要因は症例ごとに異なり、開口制限や頚部後屈不能など明確な原因がある場合もあれば、口が開きにくい・出っ歯・首が短いなど複合要因で難易度が指数関数的に上がることも多い。一方で、ブレード変更や体位調整といった些細な工夫で成功すること…
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【文献抄訳】GLP-1受容体作動薬服用患者における麻酔前の胃部超音波検査による胃内容物評価

はじめに近年、糖尿病治療や肥満管理を目的とした GLP-1 受容体作動薬(GLP-1 RAs)の使用が急速に拡大しています。この薬剤は強力な血糖降下作用や減量効果を持つ一方で、胃排泄を遅延させる作用があることが知られています。 麻酔科医にとっての懸念は、適切な絶食時間を守っているにもかかわらず、麻酔導入時に胃内容物が残留し、誤嚥性肺炎…
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